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役員会を開いていない人は要注意!役員会の役割と効果的なやり方

藤原毅芳

バーチャル経営塾『2代目社長の生き残り組織再生論』

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役員会を開いていない人は要注意!役員会の役割と効果的なやり方


皆さんの会社では、定期的に「役員会」を開催していますか?
 ーー役員会なんて知らないよ……。
 ーーもう何年も開いてないね……。
 そんな会社も多く見受けられます。

確かに、取締役会と違い、役員会は法律で開催が義務付けられているわけではありません。そのため、役員会を開く習慣がなかったり、役員会を開いても形だけだという会社もあります。しかし役員会は、会社の運営にとってぜひ定期的に開催しておくべきものです。その理由をこのコラムで解説していきます。

役員会とは

会社によっては「役員会」という言葉を使ったことすらないという方もいるかも知れません。その理由は、役員会が法律で定められたものではないということもあるでしょう。

取締役会との違い

「取締役会」とは、その名の通り取締役が出席して行われる会議体のことです。以下のような会社にとって重大な影響を及ぼす判断を行います。
 ・代表取締役の選任・解任
 ・株主総会を招集
 ・大きな金額の借り入れの採決
 など

覚えておきたいのは、「取締役(社長など)」が、それらの重要な判断を一人で決定することは、原則として「できない」ということです。上で例示したような、取締役会で決定すべき事項を、取締役会の「専決事項」や「決議事項」とも呼びます。

株主総会との違い

取締役会の上には「株主総会」と呼ばれる会議体があります。取締役会と同じく専決事項が法律(主に会社法)で定められており、以下のようなものがあります。
 ・役員の選任・解任
 ・資本金の増額
 ・剰余金の配当
 など

基本的な事項は、出席した株主の過半数の議決で決議できる「普通決議」で決定し、より重要な事項は、出席した株主の三分の二で決議できる「特別決議」などで決定します。ですから、時に「発行株式の半分以上」または「三分の一」を確保しておこうなどという多数派工作に奔走したりする必要が出てくるわけです。

役員会とは?

改めて「役員会」の定義を確認したいところなのですが、実は先ほども説明しました通り、役員会には法的な根拠がありません。つまり、開催してもしなくてもその会社の自由ですし、開催する時も、出席者やその会議の内容は基本的にその会社の裁量で決められます。

ただし、一般的な役員会というのは、ある程度の共通了解があります。
 それが以下のようなものです。

・出席者は取締役、プラス監査役・会計監査人
 ・業務執行について、プラス財務状況等についての話し合いを行う

当然のことながら会社によって差はありますが、要するに「取締役会プラスα」の会議体だと考えると分かりやすいかも知れません。取締役会では、基本的に全員が会社の業務の遂行を日頃から行っています。

役員会の意味

財務状況や、経営が定款や各種法令に則った形で進んでいるかを客観的な視点でチェックすることができる役員会は、会社にとってとても有益な会議です。というのも、取締役会は「取締役」しか出席できないのに対して、役員会は、取締役・監査役・会計監査人などの「役員」というもう少し幅の広い人で構成できるからです。

緊張感を持った経営

役員会に出席するのは、いつも共に業務をしている取締役だけではありません。監査役や会計監査人には、取締役をチェックする役割もあります。そのため、定款や法律の枠内で経営ができているのか、財務的には大丈夫なのか、取締役がちゃんと業務を遂行できているのかを客観的な目で定点観測できるのです。

リスクマネジメント

新聞の経済面で、時折有名な経営者の重大な法律違反などが話題になりますが、あれはまさに緊張感を失った経営者の末路だと言えるでしょう。経営者を野放しにせず、そのような暴走を食い止めるためにも、役員会は必要なのです。

現場と経営幹部のリンク

先ほど取締役会は法律で決められているが、役員会は定めがないと言いました。このことは、役員会は会社の自由で編成ができるとも考えられます。つまり、必ずしも経営幹部や名目上の役員だけしか参加できないわけではありません。

会社にとって重要な人物であれば、誰だって役員会に出席させられます。
 現場のマネージャーやスタッフに参加してもらうことで、現場の状況を経営幹部が理解することにつながり、経営の舵取りを正しい方向へ向けることもできます。役員会を柔軟に機能させることが、経営にとっても非常に重要なのです。

役員会を機能させるには?

よく「うちみたいな中小企業は、わざわざ役員会を開かなくても、いつでも話できるからいらないよ」という声を聞きますが。それは間違いです。

いつも顔を合わせているからと言って、朝礼をなくしていいとはなりませんよね?それと同じで、わざわざ時間を取って集まることで、緊張感を持った議論に入ることができるのです。

役員会が機能していない

会議が機能不全に陥るにはいくつかの理由がありますが、ここでは大きな理由として「ダラダラ会議」を取り上げて、対策の講じ方を見ていきたいと思います。

・ダラダラ会議

 日本の会議は生産性が低いとよく言われますが、その理由がこの「ダラダラ会議」です。長い時間かけて会議をしても、結局何も重要なことは決まらない。それどころか、論点もはっきりせず、活発な議論もない。ただの報告会なら、別にメールで一斉送信でも良かったのではないか。このような会議は、時間の無駄というだけでなく、会議以外の時間のモチベーションも下げてしまいます。

ダラダラ会議が習慣になっている会社では、役員会も同じくダラダラです。わざわざ役員達が集まって時間を使っているのに、話が脱線したり、中身のない会話でお茶を濁すだけ。

そんな役員会を機能させるには、最低限以下の3つを取り入れましょう。

 1 時間を決める(長くても1時間半)
 2 役員会の前日までに議題を共有しておく
 3 ゴールを設定する

まず1の時間を決めるということについて説明しましょう。ダラダラ会議の特徴として、時間(特に終了時間)を決めていない、もしくは守らないということがあります。よく言われることですが、人間の集中力は1時間半が限界だと言われています。それ以上長い時間を会議しても、内容の濃い議論は期待できません。そこで、最長でも1時間半、理想では1時間以内に終わるように時間を設定しておきましょう。

続いて2の議題の共有についてです。どれだけ優秀な人でも、会議になって初めて議題を聞かされては、議論の準備を十分に行うことは不可能です。そのため、事前に話し合いたい議題について共有しておくことが重要なのです。またそれができていないと、「聞いてないよ」と言った反応をする役員も出てきて、決まるものも決まりません。

日本には「根回し」という習慣があります。決定権者に事前に話を通しておくことで、スムーズに意思決定へ導くことができます。そのため、もしどうしても決定したいことがあるなら、できれば直接会って議題について根回しをしておくことも時には有効なのです。

最後に3のゴール設定についてですが、ゴールが不明確だということもダラダラ会議の大きな特徴です。会議のゴール(目的)がはっきりしていないと、どれだけ時間を使っても結論まで行き着くことができません。できるだけ具体的なゴールを設定して、会議に臨むようにしましょう。

ファシリテーターの活用

取締役会は、基本的に「代表取締役」が議事進行します。もちろん、多くの役員会でも同じでしょう。しかしここで、役員会を強烈に機能させる1つのコツをお教えします。それが、ファシリテーターの活用です。

ファシリテーターは、「議事の進行者・司会」という意味で用いられます。しかし、元の単語の意味からすると、若干ニュアンスが異なります。「司会」は、会議の進行はしますが、それだけです。一方「ファシリテーター」は、会議に介入します。合意形成や相互理解をサポートすることで、会議の活性化をすることができます。

つまり、ファシリテーター次第で、会議(この場合は役員会)を機能させることができるのです。

よく「しゃんしゃん会議」などと揶揄されるように、日本の会議は本当の議論をしていません。ある程度決まった空気の中で、会議をやること自体が目的化しているのです。

・ファシリテーターの必要性

 そんな決められない会議では、役員会の機能は果たせません。
そこでファシリテーターが必要になるわけです。
代表取締役がファシリテーターの役割を担うこともあるでしょう。

ファシリテーターは司会者ではありません。
経営に対する幅広い知識と、御社の事情を深く理解していることが必要になります。

さいごに

今回は、役員会の役割と、それを機能させる方法について説明してきました。今回はかなり具体的な解説もつけてましたので、ぜひ取り入れてみてくださいね。