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中期経営計画が達成できない

バーチャル経営塾『2代目社長の生き残り組織再生論』

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中期経営計画が達成できない・・・絵に描いた餅で終わらせない方法とは?



せっかく苦労して中期経営計画(中計)を作成しても、未達に終わってしまっては絵に描いた餅。
そのような「使えない」中期経営計画には、ある共通点があったのです。
あなたの会社にも当てはまるものがあるかも知れません。
今回はそんな、「使えない」中期経営計画について学んでいきましょう。

理念に紙幅を割き過ぎている

経営計画の中には、経営理念やビジョンなど、大きな経営の方針を書き込むことがよくあります。
確かに会社の方向性を確認することは、経営計画を立てる上で重要なことです。

しかし、ついつい自分の言葉に酔ってしまって、理念ばかりを何ページにも渡って述べる経営者は意外と多いもの。
特に、創業社長だった先代から引き継いだばかりの時期に陥りがちなパターンです。

長期経営計画など、あえてビジョンを中心とした資料を作る場合は良いのですが、中期経営計画などの場合、来期の明確な数字目標や具体的な施策に紙幅を割くべきでしょう。
そうでなければ、実際に行動しようがなく、結果にも現れないからです。

数字の根拠が示されていない

これは座に就いて間もない経営者が陥りがちなパターンです。
一見キレイな表やグラフを作成できていても、根拠が薄弱な計画では説得力がありません。
逆に数字の根拠がしっかりした計画には力強さを感じるものです。

ロジカル・シンキング

「来期は売上高2倍!」と意気込んだとしても、作成した本人がその数字の根拠を説明できなければ、2倍どころか横ばいすら危ういかも知れません。
何の施策をするといくらの売上が期待できるのか、そういった論理的な思考が「使える」中期経営計画には欠かせないのです。

必要以上にキレイ

日本の某車メーカーの社長は、ある講演会で「経営計画は5%、実行が95%」だと言ったそうです。
成果を上げ続ける経営者の発言には含蓄がありますよね。

あなたの会社の経営計画が、あまりにも高いクオリティのデザインなら要注意です。
中期経営計画は、営業資料や商品のパンフレットではありません。
確かに、汚い資料よりもキレイな資料の方が見やすいでしょう。
作った人にとっても気持ちがいいかも知れません。しかしそれだけのことです。

中計は中身で勝負

経営計画を見る人は、デザインよりも中身を見ています。
むしろデザインは朴訥としていても、内容がしっかりしている方が好感を持たれるケースもあります。
ある程度形を整えるのは良いですが、必要以上に飾り立てる必要はないのです。

とても実現しそうにない

中期経営計画は誰のために作っているのでしょうか?
中期経営計画を見る人は、自社の社員、取引先、金融機関、株主などです。彼らは、経営計画の「現実味」を冷静に判断します。

もちろん、根拠と自信を持って高い目標を掲げることは問題ありません。
ストレッチのかかった目標設定は、自社のパフォーマンスを最大限まで引き上げるので、むしろ望ましいことです。
しかし無謀(だと思える)目標設定は、見た人をシラケさせるだけに終わります。
過去の実績と、自社の冷静な分析の上で、必要な取り組みをしたらどこまで業績を伸ばせそうか、それを現実的な範囲内で書くようにしましょう。

前倒しで目標達成させる

もし「根拠はないが自信はある!」という場合には、目標を前倒しで達成して、途中で上方修正すると良いでしょう。
その場合、実現性を疑われる恐れもありませんし、上方修正して目標を達成する姿勢は誰から見ても好印象を与えます。

社長の個人的な思い入れがない

「使える」経営計画には、社長の強い思い入れが欠かせません。
もちろんそれは、感情や直感で計画を作ることとは違います。
社長が「何としても達成したい!」という熱い想いを持っていないと、社員がついてくることはないのです。
形を整えただけの薄っぺらい経営計画には、人を引き付けて、行動へと誘うパワーがありません。
経営計画の作成には、冷静でロジカルな思考と、熱いパッションの両輪が必要なのです。

社員が納得していない

社長の思い入れがあっても、社員が冷めていては目標の達成は覚束ないでしょう。
社員に心から納得して取り組んでもらうには、経営計画に社員の意見を反映させることも忘れてはいけません。
社長がリーダーシップを持って目標を打ち上げるのは良いですが、その目標に正当性があるかどうか、そして社長の言葉と行動が一致しているかを、社員たちはよく見ています。

社員一人ひとりが自分のものとして経営計画を見ている会社は、目標達成意欲が高く、結果として「使える」経営計画となるのです。

キレイ事ことばかり書かれている

よく見かけるダメな経営計画の代表が、この「キレイ事ばかり」の経営計画です。
会社を経営していれば、予想外のピンチや都合の悪い事件、恥ずかしい出来事は起きるものです。
もちろんわざと悪いことばかりを書く必要はありませんが、度を越して良いことばかり書かれていると、見た人は信頼性を疑ってしまいます。

外部の力を借りる

また、自社の状況を冷静に分析できていないのではないか、真摯な反省や課題への取り組みができていないのではないかと、むしろ経営能力に疑問を持たれることにもなりかねません。
もし自社の現状分析ができていないと感じたら、自社のことをよく理解してくれる外部の力を借りるのも一つの手です。

言ってることがコロコロ変わる

「君子豹変す」という言葉があります。
よくできる人は、過ちを認めいち早く改めることができるという意味のことわざです。
しかしこれは経営方針には当てはまりません。

日々の仕事の中で指示や行動がしばしば変わっても、おそらく現実に合わせて柔軟な対応をしただけで、大きな問題はないでしょう。
しかし経営理念や会社のビジョンがコロコロ変わると、社員はついていけません。
これら会社の大方針は、少なくとも3年、できれば何十年と受け継いでいくべきものです。社長の一貫性のない言動は、社員からの失望を招く第一要件なのです。
既にこれまで、何度も経営方針を変えてきたという方は、経営計画の策定にはより一層慎重に取り組んで下さい。
 

タスクまで落とし込めていない

中期経営計画は、行動まで落とし込めて初めて機能します。
どれだけキレイでうまくまとまっていても、社員それぞれの行動に何の変化も及ぼさないのなら、まさに絵に描いた餅そのものです。

さきほど数字はロジカルに積み上げていくべきだと述べましたが、数字を達成させるためには、施策を逆に小さく細分化していく作業が必要です。

生きた経営計画には、必ずと行っていいほど「タスク管理表」が盛り込まれています。
エクセルなどを使い自分で作成することも可能ですが、最近では多くの「タスク管理ツール」が公開されています。
スマホと連動できて直感的に使えるアプリも多いので、それらを使ってみるのもおすすめです。

さいごに

中期経営計画が達成できない主な理由と、それぞれの解決策を説明しました。
ここで取り上げたポイントは、目標達成できていない会社の多くが陥っている大きな問題です。
もし心当たりがあるという方は、ぜひお気軽に声をかけてください。